RESERVE

OWNER’S STORY

店主の想い

一杯のあたたかさに惹かれ、祖父の隣で料理の楽しさを知った少年が、やがて松崎町で炭に火を入れるまで——。やきとり 尾崎の店主が、これまで歩んできた道のりと、この町に懸ける想いを、すこしだけお話しさせてください。

01

料理の世界へ

料理の世界に足を踏み入れたきっかけは、学生時代に居酒屋でアルバイトをしたことでした。注文の声が飛び交い、湯気の向こうで料理人が黙々と手を動かす。カウンター越しに交わされる「おいしかったよ」のひと言で、その日の疲れがふっと軽くなる——。あの賑やかで、どこかあたたかい空気に、すっかり惹き込まれてしまったんです。

振り返ってみれば、料理そのものを好きになったのは、もっと前——小学生の頃でした。祖父に料理を教えてもらったことが、すべてのはじまりです。隣に立って見よう見まねで手を動かし、自分のつくったものを「おいしい」と食べてもらえる。その小さなよろこびが、いつしか「将来は料理の道へ」という気持ちに変わっていきました。手を動かして、誰かに食べてもらう——その原点は、今もまったく変わっていません。

02

修行時代に学んだこと

とはいえ、最初から順調だったわけではありません。修行時代に一番つらかったのは、ほかでもない自分自身の「のみこみの悪さ」でした。ひとつの作業を覚えるのにも時間がかかり、周りがてきぱきと動く中で、自分だけがなかなか早くならない。悔しくて、情けなくて、何度も自分の不器用さと向き合いました。

それでも、できることはただひとつ。一日一日、地道に手を動かし続けることだけでした。昨日できなかったことが、今日は少しだけできるようになる。そのわずかな手応えを積み重ねていくうちに、気づけば一歩ずつ前へ進んでいました。あの時期に身につけた「焦らず、やめずに続ける」という姿勢は、今の自分を支える大切な土台になっています。

03

影響を受けた人

これまで歩んでくる中で、本当にたくさんの方に支えられてきました。家族の中では、やはり祖父の影響がとても大きかったです。料理の楽しさを最初に教えてくれたのは祖父であり、その記憶は今も、ふとした瞬間に自分の背中を押してくれます。

そして仕事の面では、松崎町に移住してからお世話になったお店の大将の存在が欠かせません。仕事への向き合い方、お客様との接し方、この土地での暮らし方——その背中から学んだことのひとつひとつが、今の尾崎という店をかたちづくっています。出会えた方々への感謝を胸に、これからもこの町で腕を振るっていきたいと思っています。

04

このお店をはじめた理由

「なぜお店を?」とよく聞かれますが、理由はとてもシンプルです。「居酒屋が好き」。ただ、それだけなんです。人が集まって、おいしいものを囲んで、いつの間にか笑顔になっている。知らない人同士が隣り合って、気づけば話が弾んでいる。そんな居酒屋という場所が、昔からたまらなく好きでした。

だったら、その場所を自分の手でつくってみたい。学生時代にカウンターの向こうで見ていたあの景色を、今度は自分が生み出す側になりたい——。その想いが、松崎町で尾崎をはじめた一番の理由です。

05

尾崎のこだわり

一番こだわっているのは、できる限り地元の食材、そして旬の食材を使うことです。松崎町には、野菜や魚をはじめ、魅力にあふれた食材がほんとうにたくさんあります。海も山も近いこの町だからこそ味わえる、その季節ならではの恵み。仕入れや素材選びでも、「今このとき」のいちばんおいしいものを選ぶことを大切にしています。

焼き鳥はもちろん、地元の食材を使った一品料理も、その日の仕入れと相談しながらお出ししています。派手さよりも、素材そのものの良さがまっすぐ伝わる一皿を。この町の食材の魅力を、料理を通して少しでも多くの方に伝えていく——それが、尾崎の変わらない願いです。

06

過ごしてほしい時間

お店に来てくださった方には、とにかく「来て良かった」と思える時間を過ごしていただきたい。それが一番の願いです。楽しい、おいしい、なんだか心が落ち着く——感じ方は人それぞれでかまいません。仕事帰りにふらりと立ち寄って肩の力を抜く夜も、大切な人とゆっくり語らうひとときも、そのすべてが尾崎で生まれてくれたら嬉しいです。

料理を通してお伝えしたいのは、この町の魅力そのもの。地元の方には「やっぱりこの町はいいな」と思える場所に、観光でいらした方には「また松崎に来たい」と思える場所に。地元の方も、遠くからお越しの方も、分け隔てなく良い時間を過ごしていただけたら、これ以上のよろこびはありません。

07

一番嬉しかったお言葉

これまで、お客様からたくさんの嬉しい言葉をいただいてきました。そのどれもが励みですが、中でも忘れられない出来事があります。あるお客様が、「うちの子がとても楽しみにしている!」「焼きとり美味しい!」と、満面の笑みを浮かべたお子さんの写真を見せてくださったんです。

自分のつくった一本が、誰かの「楽しみ」になっている。あの笑顔を見たとき、胸がいっぱいになりました。ああ、この仕事をしていて良かった。あの笑顔のために、明日もまた炭に火を入れよう——そう心から思える、忘れられない瞬間でした。

そして、料理以外で大切にしているのは、関わってくださっているすべての方への「感謝の気持ち」を忘れないことです。お客様、食材を届けてくださる生産者の方々、支えてくれる家族や仲間。たくさんの方のおかげで、今日もこうしてお店に立てています。その、当たり前のようでいて当たり前ではないことに、いつも感謝していたい。料理人である前に、ひとりの人間として大切にしている生き方です。

08

これからの夢

これから挑戦したいことが、ふたつあります。「米づくり」と「釣り」です。じつはこれ、お世話になった大将がされていたことなんです。自分でお米を育て、自分で海に出て魚を釣り、それをお客様にお出しする。言葉にすると簡単そうですが、もちろん一筋縄ではいきません。

それでも、海も田畑も近いこの松崎町だからこそ挑戦できることだと思っています。いつか「この米も、この魚も、自分でこしらえたんですよ」とお出しできる日を目指して、私自身もこれから少しずつ挑戦していくつもりです。

そして5年後、10年後は、地元の方に愛されるお店に育てていきたい。観光名所のような派手さはなくても、「近くにあってよかった」と思ってもらえる、町の暮らしにそっと寄り添うお店。そんな存在になることが、今の目標です。

日々、全力で営業して参ります。
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。

やきとり 尾崎 店主

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